そんなアレルギーっこも以前よりは丈夫になりましたが、相変わらず乳製品そのままは食べられません。乳から出来たの生クリームなんてもっての他でした。日本に滞在中は乳製品を使用しない豆乳ホイップクリームというのを見つけてそれが大好きだったのですが、ニュージーランドに来てからはちょうど良いホイップクリームを見つけられず困っていました。
そんな中、インターネットのレシピでココナッツミルクを利用したホイップクリームのレシピを見つけたので、試してみました。
生クリームの代用としてのココナッツホイップたち
そもそもどうして乳製品から出来た生クリームはあんなにふんわりと泡立つのか?というと、どうやらタンパク質と脂質がカギのようです。でも、例えばタンパク質がたくさん入っていそうな豆乳にサラダ油を投入し、ちょっと凝固剤とか入れてみても、全然泡立ちません(経験済み(笑))そこで代わりに白羽の矢が立ったのがココナッツです。ココナッツは植物の木の実のくせに、動物性脂肪と同じ飽和脂肪酸がたっぷり含まれている不思議な食べ物。この脂肪成分の多さを利用して、クリームにしようというのが今回の作戦です。
ココナッツクリームを利用したホイップクリームは海外ではVegan(動物性たんぱくを取らない人たち)の人たち向け、又は乳アレルギーの人向けの代用クリームとして利用されています。作り方の情報についても、インターネット上で多く見つかります。
例えば英語ではこちらのホームページたち。
http://ohsheglows.com/2012/08/30/coconut-whipped-cream-a-step-by-step-photo-tutorial/
http://www.ohladycakes.com/how-to-make-coconut-whipped-cream/
日本語でもいくつもレシピはありますが、こちらが一番丁寧に説明されています。
http://marikosakata.com/jp/coconut-whipped-cream/
南の国から~
材料はココナッツミルクかココナッツクリーム
上記のホームページたちを参考にすると、重要なのは「ただのココナツミルクでは薄すぎてダメ。脂肪分をさらにギュッと凝縮させてそこだけ使うよ」ということです。材料としては、ココナッツミルクかココナッツクリームという商品を使用しますが、下記の条件を守ることが大切です。
- ココナッツミルクの場合は、乳化剤(Emulsifying Agent)が入っていない事が絶対条件
- ココナッツクリームの場合も乳化剤(Emulsifying Agent)が入っていない方が良い
- 例外として濃度がとても高いココナッツクリームの場合は乳化剤(Emulsifying Agent)が入っていてもそのままいけるかも
まずココナッツミルクの場合、薄すぎてこのままではとてもホイップできません。そのため、冷蔵庫に1~2晩冷やして、脂肪分を凝固させ水分と分離させます。その後、静かに蓋を開けて水分は流し、脂肪分の部分だけすくい取ります。この脂肪分の部分を利用してホイップを作ります。
ココナッツミルクでは無く、ココナッツクリームという商品があります。こちらはココナツミルクよりもさらに濃くて脂肪分が多いのですが、それでも一度上記同様の手順で、水分を抜いたほうが良いです。ココナッツミルクよりも多くの固形部分が取れます。
上記の手順で水分と固形分に分離させる時、ココナッツクリーム・ミルクにあらかじめ乳化剤(Emulsifying Agent)が入っていると、分離しません。そのため、購入の際に必ずラベルを確認し、余計な添加物が入っていないものを選ぶことが大切です。
例外として濃度が高いココナッツクリームではそのまま泡立てて使える商品もあり、こちらには乳化剤が入っていても分離の必要が無いため大丈夫です。下記でこれに該当するココナツクリームを試していますが、柔らかめのホイップが出来ました。
日本ではココナッツミルク自体あまり使用する機会がないので、スーパーなどでも入手が困難かもしれません。その場合は兎に角、乳化剤が入っていないものを一番に選びましょう。一方ニュージーランドのスーパーでは色々な種類のココナッツミルク・クリームが並んでいます。ホイップクリームを作るのが狙いならば、ミルクでは無くココナッツクリームの方で、乳化剤が入っていないものを選ぶと良いと思います。
ココナッツクリームで作ってみたよ!Essentials編
早速、ココナッツクリームでホイップを作ってきました。まず最初に試したのはEssentialsブランド(安いやつ、2ドルくらい)のココナッツクリーム。
この商品には乳化剤が入っていません。とてもシンプルな商品です。
これを2晩ほど冷蔵庫で冷やしておきました。うまく分離がされていれば固形の部分が上に浮かんでくるはずだったので、缶をそっとひっくり返して開けたのですが…
あら?どうやら缶の底側に固形の部分が溜まっていたようですね。これだけそーっとスプーンですくって取り出します。
このままでも相当もったりしたクリームです。スプーンに張り付いて下に落ちないくらいです。アイスみたい。
すべてすくい出せました。
缶の底には、クリアな水分だけが残っています。あまり量は無いですね。ジュースとかに使えるらしいです。
さあ、泡立てていきます。大匙3倍の砂糖をいれて、ブイイイイーン
元々かなりモッタリ、ベットリしたクリームだったので、あっという間にツンツンと山の立つクリームになりました。
ココナッツクリームで作ってみたよ!FIA FIA編
続いて試してみたのがこちらの製品。もうちょっとお値段も高めで(3ドルくらい?)本格的なタイ産のブランド。
ただしこちらのココナッツクリームには、乳化剤が入っていました。この商品は脂肪分の濃度が陳列された他のココナッツクリームと比べても一番高く濃いクリームなので、このまま使えると踏んで試してみました。
1晩置いても全く分離無し。そのまま全量をボウルに投入して砂糖を大匙3入れます。
ブイイイイーン
こんな感じに泡立ちました。こちらのほうが、Essential缶を分離させて作ったクリームよりもふわふわした感じです。
ただし、クリームの硬さは柔らかめです。一応、クリームの先っぽは立ちますが、ぴんとした角を維持できない感じの柔らかさです。
ココナッツホイップクリーム*乳アレルギーっこの感想
上記の手順で無事、ホイップクリームらしいものは作ることに成功しました!さあ、気になる我が家の乳アレルギーっこの感想は?「すごいココナツの味がする」
うん、そりゃそうだ!嫌な予感…
「ココナツの味は僕、ちょっとヤダ」
ええー!頑張って作ったのに!
…というわけで、我が家の息子のお口には合いませんでした。ココナツの味って、好きな人と嫌いな人に分かれますよね。和食文化で育った我が家の息子にはトロピカルすぎて合わなかったようです。
ココナツクリームのホイップ自体はとても簡単で、見た目もばっちりホイップクリームだっただけにとても残念です。ちなみにアレルギーっこじゃない方の子供はパクパク食べていました。兄弟でも食の好みが違うようです。私もココナッツクリームの味は結構好きなのですが…乳アレルギーっこが好きな代用クリームを作りたかったのにー!
ちなみに我が家の乳アレルギーっこは、日本では豆乳ホイップクリームというのを食べていました。スジャータが出している製品で、これを使ってクリスマスケーキやお誕生日ケーキを作っていました。植物性油と豆乳が原材料なのですが、若干柔らかめだけどうまくホイップ出来るし、味も美味しくて大好きでした。植物性油と豆乳と乳化剤でどうやってあんなに良く泡立つ代用クリームが出来るのか不思議で仕方がありません。もう最終手段としては、これを何とかニュージーランドへ輸入したいです。輸入の仕方調べてみようかな…
間違ったココナッツクリームを買ったら&余ったら
さて、もし間違って乳化剤が入っているココナッツミルクを購入してしまったら…他の料理に使ってしまいましょう!我が家でも間違えて凝固しないココナッツミルクを購入してしまい、こちらはゼラチンと砂糖を混ぜてなんちゃってココナッツミルクプリンにしました。ココナッツミルクそのまま、又は豆乳や牛乳で割ってから、プリンやババロアのようなデザートで利用すると美味しくいただけますよ。その時に、少しシナモンを入れてあげても良く合います。
また、お魚とレモンを買ってくれば、ニュージーランドレシピのココナッツマリネができます。こちらの記事を参考にしてみてください。